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★第2話 舞え!オーストリアの蝶

(1770年4月・オスカル満14歳)

 アントワネット登場。タイトル通り彼女が中心の話。
ポーズで決めたり、堅く結んだ唇が男っぽくて、いかにもりりしい前期オスカル。
同い年のオスカルに比較して幼さを強調してか、アントワネットは出てくるなりハイテンション。
今から国の威信をかけて嫁に行かなくてはならないのに、本人はまだまだ幼くて、嫁に行く自覚も責任もない様子が描かれている。そこが悲劇の結末を知る我々にすればそのキャピキャピしているさまが、かえって悲しく写る…。

 彼女の輿入れから、未来の夫に出会い失望するまでが描かれており、この回でオスカルとアントワネットは出会っている。
また、アントワネットのことをじゃじゃ馬と言っているオスカルを笑うアンドレがまだまだ幼い、こちらも未来のご夫婦と思えば微笑ましい。
なんじゃコレ〜?というようなアントワネット替え玉事件と陰謀とオスカルの活劇。ドラマ仕立てもアクション系の活劇もののようで、前期は剣のアクションもなかなか派手である。

 アンドレは原作に比べて最初からいきなり存在感があるので、平民が平気で宮廷に出てくるのが何とも不思議で、身分差が感じられないし、少し浮いているようだ(彼は前期の18話まではオスカルと肩を並べて歩いている)。
一方ジェローデルはオスカルを認めていないようで「女の気まぐれか?」などと言い、隣のアンドレはフンと鼻で笑い「剣で負けたくせに…」なんて言うつぶやきが聞こえてきそう。本当は、お前になんかオスカルの気持ちがわかってたまるか〜と言うところ。

 以上、替え玉事件以外の大筋は一応、原作通りの展開だが、あまりにもそのまますぎて、もっと違う面を見せて欲しいなと、思った。
違う面?
と言うのはアニメ化する時に一番期待したこと。それは原作においてページの都合などで描き切れなかったオスカルをはじめ、各登場人物の横顔・内面的なこと、そんなものを見せて欲しかった。
女でありながら男より強いオスカル。でも強いばかりでは人間らしくない。そんな彼女でも当然悩みや葛藤もあり、弱さも持っている。そんな実物大のオスカルをアニメに求めていた(読者は欲張りだもん)。

 その時は、もちろんオスカルはやはり原作のままの、革命に命をかける原作オスカルしか考えられなかったので、後半に入って別人と化したアニメオスカルには戸惑ったものだ。…いや、あんなのはオスカルじゃないとさえ思った。



2000.7.14.up