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★第10話 美しい悪魔ジャンヌ

(1775年6月11日〜・オスカル満19歳)

 前王の死によりアントワネットとデュ・バリの対立が終わり、新王ルイ16世の戴冠式。
新しい治世への期待と豪華な式典、そして全くそれとは反対にその日の食べ物にも困っている貧しい民衆を対比して描く。はではでしい演出もひとまず落ち着いたよう。
今回はジャンヌとロザリーの二人の姉妹の話が中心で、オスカルは今回、表立った出番なし。

 貴族に引き取られ、さらに上へのし上がろうとするジャンヌ。そして病気の母を看病しながら何とか生きて行こうとする貧しいロザリー。離れて行く姉妹の心。それが全て貧しさのためなら、「悪=ジャンヌ」の図式は成り立たない。
人がその時代で生き残るために、それぞれの手段を模索する。「生きる」とはこういう事かも?
どんな手段を使ってでものし上がっていくジャンヌは、彼女を屋敷に引き取り世話をしてくれた貴族の夫人を夫ニコラスと共に共謀して殺害する。

同じ頃、仕事もなく、母の薬も買えないロザリーは無謀にも通りがかりのオスカルに身を売ろうとする。
笑うなオスカル、ロザリーは必死だ。まだまだ世間がわからないオスカル。だが、幼いロザリーの決死の様子を見て、彼女も民衆の貧しさを知る…とりあえず雲の上から。
だが、アンドレは知っている。身分制度により一部の者だけが富み、残りの大部分は搾取され、国家の奴隷となっている事を。

 ジャンヌに殺されたブーレンビリエ侯爵夫人の葬式に来ていたオスカルとアンドレは、ジャンヌ夫妻と立ち話をするローアン大司教を見かける。
物知りアンドレはローアンが前オーストリア大使で、マリア・テレジアに嫌われていた経緯をオスカルに教える。…賢いんだ、彼は!!

 今回では後の首飾り事件に発展する主役が出揃った。オスカルは彼らに何かうさん臭さを感じている。さすが女の勘は鋭い。
オスカルとジャンヌ。一つの対立が予感されている。


2000.7.14.up