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第21話 黒ばらは夜ひらく

(1779年頃・オスカル満23歳)

 オスカルを主役の座から引きずり下ろしたジャンヌ。
どこか思い詰めていて、投げやりで自滅的で、追いかけられているように何かを必死で探している女、ジャンヌ。
そんな綱渡りのような生き方でしか、「生きている」実感が得られないのだろうか。今日さえ生き延びられたら、今日さえ楽しかったら、自分さえよかったら何でもやってやるんだ。どうせ一度きりの人生なんだから。
彼女をそんな風にしてしまったのは、幼い頃からの貧しさと明日への不安からだろうか。となれば、彼女のような女を作ったのは社会の歪みなのかも知れない。

彼女の描かれ方は、前期のジャンヌや、デュ・バリとは違い、悪人でありながら見る者を引き付ける。
古いヨーロッパ系のモノクロ映画のように闇の中に浮かぶ人物、ジャンヌの妖しい雰囲気がよく出ている。
この回から4話はジャンヌにスポットが当たり、貴族と民衆の対立が具体的になった。そして「貴族は悪」の図式が始まる。

 まず、お人よしのローアンから手初めに遊んでやろうとするジャンヌ。
悪いのは貧富の差を生み出した社会の方。彼女の社会への対決姿勢は、お嬢のオスカルより真に迫っている。

 ところでフェルゼンが去って、心にぽっかり穴が開いたオスカル。彼女を元気づけようとするアンドレ(本当に偉い男だ)。
別荘でくつろぐオスカル、ロザリー、アンドレ、そして彼らとジャンヌとの出会い。
ここで、堅物のオスカルに賄賂を渡そうとしたジャンヌはおもむろに失敗。
オスカルとジャンヌの初対決は、まずお互いすごみを効かせて引き分けという所か。

 何をしたって神様は許してくれる、などとジャンヌは神様すら頼りにしていない。おなかを空かしていたときも、神様は助けてくれなかった。頼れるのは、信じられるのは自分ただ独りだけ。誰もあたしなんか愛してくれるもんか!
…彼女も強がっているけど寂しいのだ。心に穴があいているのはオスカルだけではない。
 そんな彼女が巧みに人をだまし、偽王妃事件の始まり。だが、いくら事がうまくいっても、満たされないジャンヌ。彼女は社会へ復讐しているのだろうか。

勝ち誇るジャンヌの姿に、見る側にも貴族が悪と写る。そう、貴族のオスカルも含めて…。
だが、こうも気持ち良く、頭も回転し、やることも大胆なジャンヌに、思わず拍手したいが、なぜか彼女の笑いはうつろで、強がる姿がいかにも悲しい。

 貴族は悪。…今までのオスカルの立場を根底から揺るがす展開。
貴族の社会は間違っている!巨大な者に立ち向かうジャンヌの孤独な戦いは、そう訴える。
ラストのオスカルとジャンヌの対立は、そんなこともあってか、ジャンヌの迫力勝ちのように見えた。


2000.8.14.up