アニメ版 ベルサイユのばら 徹底解説>HOME

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アニメ版「ベルサイユのばら」キャラクター簡単紹介

アニメの登場人物を400字以内で語ろう!と、なぜか決意して書いてみました。
が、なかなか短く語るのは難しいです。
こうやって書き出してみると原作のキャラとの違いをひしひしと感じ、
やはり原作からは、かなりアレンジしてあるなぁと思います。   



☆オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ
 大貴族の跡取りとなるべく、女ながら軍人として男として育てられる。彼女は男の立場で広い世界を見、ついに身分制度に対して立ち上がる。不言実行型・沈着冷静なタイプで、かたくなに男であろうとした彼女は人からの愛情を拒み、冷たい女性として人の目に映る。が、次第にアンドレの誠意に気づき、人を愛し、守る女性へと成長して行き、やがて素直にアンドレを受け入れて妻となる。又、彼女は武人として育ちながら暴力を嫌い、人を思いやる気持ちを持っている。だがそんな彼女は民衆を守るために自ら武力を使い、戦いに散っていくのだ。

☆アンドレ・グランディエ
 幼いときに両親を亡くし、オスカルの遊び相手(ちょっとイミシンに聞こえたりする)として彼女の屋敷へ引き取られる。彼は貴族の社会で育ちながら、時代の流れをしっかりと見つめているのだ。
オスカルに深い思いを寄せ、彼女の心を支え続けた彼は、オスカルと常に共にあろうとした。彼女を求めながら同時に見守るという広い愛情を持つ、物静かで誠意あふれる男である。やがてオスカルも彼の深い愛情にこたえ、二人は心から愛情を分かち合う。だがそのとたん革命が勃発し、彼は不運な死を遂げる。

☆ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン
 たまたまフランスに留学に来ていてアントワネットと恋に落ちる。あまりの思いの激しさに二度もフランスを去るが、結局アントワネットのそばで彼女を守ることを誓う。その後、アントワネット夫妻の絆を見、再び彼女の元を去る。だが、またまたまたフランスに戻ってきてアントワネットの為に王室の逃亡を企てるが、この際も夫ルイ16世に命じられてやむなく引き下がっている。彼自身が半端な思いを持っていたのではないが、四度もアントワネットの元から去る羽目になり、不運にも愛に恵まれない男。オスカルに絶大な信頼を寄せ、彼女にも救いを求めている。

☆マリー・アントワネット
 敵国へ単身、政略結婚により嫁いでくる。地味な夫に愛情が持てず、見た目もりりしいフェルゼンと恋に落ちる。二人は心の葛藤を経て強く結び付くが、彼女は息子の病気を機会に夫との距離も近くなる。女王という運命を背負わされ、一時は逃避行動に出るが、やがて時代の流れに逆らってまで王政の不滅を信じるほどの威厳を見せる。アニメ後半、物語の趣旨は完全にオスカル一人の生きざまを描くものへと変わり、彼女は出番を失う。革命後の彼女の奮闘やそれまでのエピソードが省かれた分、原作ほど詳細に描かれていない。


☆ルイ16世
 気が利かなくて内気で、そのくせ権力者としての意地を持っている・・・という部分がまれに場面に出てくる。しかしそれも、物語の歴史的進行上やむなく出てきたエピソードが多い。どちらかと言えば脇役に押しやられているが、良い人として描かれていると言える。実際、いい人だと思うけどなぁ。太り気味だから、コレステロールに気を付けてね、陛下。
平和な世の中なら善良なパパという好ましい王様で過ごせたのだろうが、アントワネット同様、急激な時代の流れに舵を取り誤る。フェルゼンとの三角関係も広い心で認めつつ、しかし最後にはフェルゼンとアントワネットを、そうと気付かぬふりをして別れさせている。結構、根に持つタイプかもしれない。

☆アラン・ド・ソワソン
 衛兵隊B中隊班長。前半にオスカルが第三者として物語を引っ張ったように、彼は後半の物語の進行役として活躍する。最初、アランは貴族の女隊長の事を認めないが、次第にオスカルの人柄に触れるにつれ、考えを改めていく。
民衆の貧しさを訴える彼の態度には、乱暴者というイメージはなく、弱い者を守りたいという心優しい面が表れている。そんな彼は妹と母を貧しさの中で亡くしているのだ。彼は又、アンドレの親友でもあり、オスカルとの事で何かと世話を焼く姿が微笑ましく描かれている。だが、最後にはオスカルのすさまじい生き様と女性らしい一面を知り、彼女に尊敬と同時に愛情すら抱いていたようだ。そのオスカルと親友アンドレを革命の動乱で失い、アランは流血の革命に疑問を感じ、田舎へ帰る。

☆ロザリー・ラ・モリエール
 貴族の娘として生まれながら、心優しい貧しい下町娘として育つ。
まだ見ぬ母を求めて、貴族社会へと出ていくのだが、彼女を待っていたのは生みの母が育ての母を馬車でひき殺した事実と、生みの母には愛情がなかったという残酷な現実である。彼女はついに貴族社会を嫌い、オスカルの元へすら帰ってこなかった。
そんな彼女の芯の強さは、育ての母ニコールとの絆を思えば当然であるが、いつまでも可愛らしい面も失わずに自立した女性へと成長したからと言える。
バスティーユ攻撃でオスカルが瀕死の重傷を負った時も、うろたえる男たちを尻目に彼女を介抱したり、しっかりした一面も描かれている。恩人オスカルの最期を看取った数少ない身内である。


☆ジャンヌ・バロア・ド・ラ・モット
 パリの下町で貧しい少女時代を過ごす。ロザリーとは姉妹。
どんなに努力しても変わりようがない苦しい生活。ついに彼女はあらゆる手を使って上へ上へとのし上がっていく。そんな強い女性として描かれていながら、それとは裏腹に、ささやかな幸せを手放したことを涙する弱さも見せるのだ。
最後まで一匹狼の誇りを捨てなかったジャンヌ。
彼女は自分自身の弱さを知っているからこそ、人の弱さに付け込むことができたのだ。ジャンヌが「悪」だったにもかかわらず、彼女をこんなふうにした社会そのものに我々は憤るのである。

☆ビクトル・クレマン・ド・ジェローデル
 かつて、近衛隊長の座をオスカルと争って負けている。その後、オスカルの元で部下として共にいるにつれ、彼女の女性としての魅力に心がひかれていく。オスカルが近衛を去った時、自分の気持ちに気付き求婚したのだが、アンドレに気持ちが傾いた彼女にあっさりフラレている。もし運命の歯車が少し変わっていれば、ハッピーエンドの鍵を握るのは彼だったのかも知れないのにぃ〜。
だがオスカルのために上部からの命令に背くなど、彼も真剣にオスカルを愛しているのは事実。端正な顔立ちとキザなセリフのわりには遊び人でもなく、非常に感じのいい貴公子である。

☆レニエ・ド・ジャルジェ将軍
 ジャルジェ家の存続のために、そして王室に忠誠を誓う彼は、娘を男として、軍人として育て上げた。彼の一本気でまじめな所は、それとよく似た娘オスカルを見ていてもわかる。だが、かたくなに男になろうとしているオスカルの姿と、世の乱れを見、彼女を男として育てたことを後悔しはじめる。オスカルが独立して一人歩きを始めたことを広い心で認め・見守りつつ、女としての幸せを願う、娘思いの父親である。

☆ジャルジェ夫人
 前半、オスカルの優しい母として再々登場していた彼女。だが後半になって、オスカルの女性的な面が描かれ始めるにつれ、出番を失い行方不明となる。オスカルは父譲りの意志の強さと、母譲りの思いやりある性質を受け継いでいる。

☆ばあや
 アンドレの祖母で、ジャルジェ家の召使い。ジャルジェ家に長い間仕え、ジャルジェ将軍すら彼女には一目置いている。年に似合わずチャキチャキしており、すぐにかっとなる所がある。世話好きで人情あふれるお母さんタイプの女性。


☆ディアンヌ・ド・ソワソン
 アランの可憐な妹。見るからに夢見がちではかなげな少女。シスコンのアランは彼女の事を目に入れても痛くないほど可愛がっているらしい。
だが彼女は指折り数えた結婚式の前日、相手の男に裏切られ自殺する。
時代が悪いからと言うだけではなく、彼女は身も心も捧げ相手に尽くし、一人では生きて行けないタイプ。どうやら現実をあまり考えず、結婚の夢に盲目的になったらしい。だが彼女を追い詰めたものが、男の裏切りだけではなく、先の見えない貧しい生活への不安だと言うのなら悲しい。

☆ラサール・ドレッセル
 家族のために自分の銃を売るという大胆なことをする割りには、銃を無くした言い訳にしどろもどろになるような、普段は内気で自分に自信のないタイプ。アニメ前半ロザリーの男版みたいな性格。貧乏なわりには小太りしているが、栄養失調ではないのだろうか。
オスカルに助けてもらって、誰より彼女を心から信頼していたのも彼である。革命の戦いの中で死を恐れぬ強さを発揮し、敵陣に単身突入し、壮絶な最期を遂げる。

☆ベルナール・シャトレ
 元、世間を騒がせた黒い騎士で、本業は新聞記者である。熱血漢で、身分制度に怒りを感じており、即実行型のタイプ。だが、アニメでは彼の生い立ちは語られない。
ロベスピエールの弟子だったが、革命直前に彼の冷たい心を知り、決別する。黒い騎士で見せた無茶な行動を思えば、革命勃発後の落ち着いたリーダーぶりが彼の成長を思わせる。それもこれもしっかりした妻ロザリーのお陰であろう。

☆サン・ジュスト
 ロベスピエールの弟子、そして独りよがりなテロリスト。彼はフランスの未来の指導者に付き従っているが、その実、ロベスピエールにつきまとう血なまぐささを本能的に嗅ぎわけていたらしい。「信じられる人間なんてあるものか、誰も自分のことしか考えていない」と言い放つサン・ジュストは、主人公オスカルの「人の心を信じる」という行為とは正反対である。彼こそオスカルとは光と影、もとい、光と闇なのである。

☆ロベスピエール
 彼は早い時期から民衆の味方として登場しており、身分制度に怒り、貴族・王室を嫌っている。本来、弱い者を守りたい心優しい男のはずだが、回を追うごとに冷たい計算高い男として描かれていく。又、アニメでは彼の扇動で革命が起きている。究極の理想社会実現のためには、隣人の大切さなど彼の頭にはないらしい。だが後に、夢破れて断頭台の露と消える。

☆ダグー大佐
 衛兵隊に配属されていた万年課長タイプのオヂサン。カチコチに真面目で、これと言った芸もなくイマイチぱっとしないタイプ。
だがオスカルには忠実に仕え、彼女の才能と努力をはじめから見抜き、陰ながら応援していたのも彼である。誠実で穏やかな彼は身分を越えて人と人との付き合いができるシブ〜イ男である。


以上、主要な18人のキャラ簡易紹介でした。
わたくしのお気に入りのダグー大佐にトリになっていただきました。

2002.2.19.up