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解説 第1話〜第28話 概要

実はここでは前半の解説があまりありません。

というのはアニメベルばらは、前半と後半が、全然違う作品になっているからです。

このページでは、特に後半に力を入れて語りたいと思っています。

ご存じ、後半のオスカルにはモノローグがほとんどありません。
原作のオスカルには決まりのセリフがあり、とても理解しやすかったのですが、アニメのオスカルは「言葉」での感情表現がなく映像の描写で表現してあるため、画面を食い入るように見ないと、・・・たとえば、編み物をしながら(失礼)だと、うっかり見落としてしまうのです。

そこで、その寡黙なオスカルと後半の物語について、独断と偏見で解説してみたくてサイトを立ち上げました。

 

男として生きる

 いわゆる前半、第一話でオスカルが見せた迷いの意味は何だったのだろうか。
ジャルジェ家のため、そして大人として自分の生き方を決めなくてはならなかったオスカル。
女の体に生まれたのに女を否定しなければならない。
女が女として生きるのも大変なのに、女が男として生きるのは考えただけでも大変なのだ。

 ところが本編が始まっても、前半のオスカルはひたすらカッコよくて歴史物語の進行役・説明役になり、彼女の人間としての弱みや迷いが出て来ないのである。
いや、オスカルはカッコよくて当たり前…なのだが、読者とはぜいたくなもので、原作にはなかったサイドストーリーをどうしても見たくなるのだ。
人間として彼女が何に喜び、何に悲しむのか、人間らしい弱い面も表現して欲しい…と。矛盾しているのだが、強くて弱いオスカルを見たかったのだ。

 実際、漫画の手法をそっくりアニメにするには色々と無理がある。活字のままのセリフではあまりに非日常的になってしまうし、一コマのポーズのキメで表現する漫画も、アニメにすると大袈裟なポーズになってしまう。
又、前半に登場するデュ・バリの激しさは大人げないし、アントワネットのはしゃぎようも子供向けである。
感情表現が明快なのはいいが、実際、人の感情はもっと複雑なのである。悲しい時にも笑う仮面をつけているのが大人なのだ。

そして読者が各々頭の中でイメージを描く漫画と違って、アニメには動きも声もあり、その世界がより具体的にならざるをえない。
アニメの誕生は決して100%の人に満足を与えるものではないだろうし、オスカルも原作とは別人になっている。
 だが、前半オスカルの白い軍服は涙が出るほど似合っている。どこか暗い世相が漂う後半が苦手、という人には活劇的要素のある前半はお勧めかもしれない。

 

オスカルの苦しみ

人間的な面が描かれはじめたのは断然、後半からである。

オスカルは男として生きる苦悩をじかに味わうのだ。

まずフェルゼンへの片思いから始まる。フェルゼンにひかれた理由は色々考えられるが私としては、女として生きられないオスカルが主人アントワネットの心を気遣って尽くしているうちに、恋心まで同化してしまったのだと思う。

 もちろん、オスカルには勝ち目はない。だが、もしフェルゼンを奪うことができても、オスカルはジャルジェ家の存続もなげうって彼の妻になっただろうか。男として生きようとした13歳の決意は、そんなにもろいものだったのだろうか。そこがどうにも納得出来ない。

だから結局、よそ様の彼だからこそオスカルはフェルゼンに恋したのではないかと思う。そもそも貴族の女たちの不幸な結婚を見て来たオスカルに結婚願望があったのかどうかは疑問。
フェルゼンへの想いはただの独りよがりな、彼女の女としての恋心を満足させるためのもの。
そして実際に結婚にまで至らないように自己防衛した、恋に恋する疑似恋愛だったのではないだろうか。

 

三角関係

 とは言え、勝負が見えていたわりには、オスカルは長い間フェルゼンへの想いを抱いている。
考えてみれば、彼女は同い年のアントワネットが我が子と戯れる所を見せつけられたり、フェルゼンに恋焦がれても告白する事すらできない。それはオスカルが男にも女にもなれない中途半端な立場にいて、孤独であるという証明なのだ。

 だから彼女は、人として孤独になるのを恐れて、秘密を共有する「不安定な三人の世界」を作っていたのではないだろうか。
そしてこの世界を壊すことは、オスカルが再び孤独になることを意味する。となれば、彼女は長い間、片思いの苦しさを抱えてもこの不安定な世界に留まっていたい気持ちになったのかも知れない。
だが、それよりもオスカルにとっての本当の苦しみは、自分を偽らなくてはならない貴族社会そのもの。
男として生きるために自分の中の女としての気持ちを否定し、自分らしさを考えることもなく、まっすぐに決められた道を馬車馬のように走り続けることだけを彼女に要求してきた貴族社会。
それは母として子育てに専念することすら許されなかったアントワネットを見守り続けた彼女だからこそ気づいた事実。

 そしてオスカルはついに三人の世界を破って、自分らしさを取り戻すために新しい世界を求めて衛兵隊へと転属するのだ。



つぶやき・・・男だ女だと考えるだけでややこしいベルばらの世界。
かっこいいオスカル、強いオスカルが当たり前なのかなぁ??

私は、弱いオスカル、苦悩して悩み考えるオスカルも、人間ぽくて好きです。

1998.12.31.アップロード